成功のカギは「タレントプールの構築とオンボーディング」採用活動に失敗しないための戦略と、定着に向けた環境構築の考え方とは?
◆社名 株式会社トランスファーデータ(旧 株式会社AI トラベル)
◆設立年月 2014年2月
◆資本金 3億 0,743 万 8,556 円(資本準備金含む)
◆従業員数 65名(2022年時点、非正規含む)
◆本社 東京都港区芝三丁目5-7 オルビス芝パークビル
◆事業内容 システム開発/IT業務コンサルティング/第三種旅行業
◆URL https://transferdata.co.jp/
Q1.はじめに-株式会社トランスファーデータについて
◆インタビュイー紹介
●取締役兼執行役員/佐藤様:トランスファーデータの創業初期から役員として参画し、バックオフィス・経営戦略本部・組織人事・営業・財務部立ち上げなどあらゆる社内整備・仕組み化を実現してきた。
●執行役員/高氏様(上写真右):2020年入社。オペレーションメンバーとして従事の後、マネージャ→執行役員へ就任。オペレーションシステムの業務統括・経営戦略本部副本部長を担う。
●HRセクション長/芳賀様(上写真左):採用人事を統括。あらゆる採用チャネルを駆使し、トランスファーデータ独自で構築するタレントプールとのリレーション構築・定着に向けた採用の仕組み構築を担う。
●神田様(上写真中):2022年4月新卒入社。経営企画補助から業務オペレーション・採用人事補助まで多岐にわたる業務を担う。
愛甲 貴社の事業内容を教えてください。
エールスペック専務取締役 愛甲 祐也
佐藤様:一言で表すと、ビジネス旅行に特化し、ITと業務(バックオフィス)・財務領域に強い開発会社です。
具体的には、出張決定→申請→予約→実際に移動/宿泊→証票管理→会計システムとの連携→予実管理までを、一気通貫で管理可能なSaaS製品を提供しています。
トラベルデータプラットフォームとして、データを正規化・多次元化・多層化し、別の形へ応用可能なデータ提供を行っています。
愛甲 データを正規化や多次元化とは、具体的にどんなイメージなのでしょうか?
佐藤様:例えばですが、旅行データの供給元(サプライヤー)によって、取得するデータの形式や数、位置情報を表す座標などが微妙に異なっていたりしているんですね。
その異なる情報を”同じものとして認識する(≒正規化)”ことや、それを”別の形で応用可能なデータへ変換する(≒多次元化)”ことって、実は簡単にできることではないんですよ。
トランスファーデータ 取締役 佐藤 尚平 様
愛甲 なるほど。冒頭に仰っていた得意領域というわけですね。貴社のようにITも旅行もバックオフィスも財務も網羅されている企業ってなかなか存在しないですよね?(笑)
佐藤様:ありがとうございます(笑) おっしゃるようになかなか存在しないのかも知れません。おかげさまで導入企業は250社、利用者5万人までシェア拡大に成功し、移動データ/ランドマークの取扱い実績も国内で3.5万施設・海外で55万施設を使えるデータプラットフォームへと成長を遂げることができました。
愛甲 素晴らしいご活躍ですね。貴社の強みを伺うことができたところで、ここまで拡大されてこられた要因としては何が大きかったのか伺えますでしょうか?
佐藤様:不謹慎に聞こえてしまうかも知れませんが、コロナが追い風というか、後押しにはなりましたね。最初は焦りましたけど・・
紆余曲折あり、今では業績もコロナ前に比べ3倍以上の業績になり、コロナ前と比較して業績が下回ったことは実は一度もなかったです。
愛甲 コロナが追い風とは驚きです。コロナになってからお会いした時、トラベルという名称もあって、「貴社の現状・・実際大丈夫ですか?」などと聞いてしまった覚えがあります(笑)
佐藤様:普通はそう思いますよね(笑)でも、逆でした。
多くのエンタープライズ企業がコロナ禍によってリモートワークが普及し、社内のデジタル化を推し進めていきました。企業規模が大きくなればなるほどオンプレミス(設置型のシステム)を使っている傾向がありましたが、リモートワークの普及によってSaaS製品を使う素地が出てきました。実情をデジタルに把握したいという企業がどんどん出てきました。
また、不要不急という言葉がすごく効きました。不要なものの見極めが進み、必要なものだけが残りました。「伸ばすべき出張はトランスファーデータを使って伸ばせばいい」という動きになってきました。
必要不可欠なものは残り続け、使い続けなければならない。という事実の結果、事業を大幅に拡大する機会になったことと感じています。
Q2.貴社の人員確保について
愛甲 事業の急拡大に伴う人材確保における社内状況は(人材会社の選別、採用活動、定着率へのアプローチなど)どうだったのでしょうか ?
高氏様:当社ではオンボーディングに力を入れていて、目先の採用をどうするか?というよりも、「定着すること」を前提に考える社風です。
仕事はできるけど人間的に合わないなど、違和感がある人が社内に一人でも存在してしまうとオンボーディング環境はどこからか崩壊してしまうと考えています。
トランスファーデータ 取締役 高氏唯衣 様
愛甲 確かに・・おっしゃる通りだと思いますね。
高氏様:確かに事業の急拡大フェーズではあったものの、急がば回れではありませんが、
「今どんなスキルセットがあるか?」というよりも、ヒューマン的な側面を大事にして、「定着を前提とした」採用活動を試行錯誤する中でエールスペックさんと出会いました。
愛甲 実際にお話を伺う中でも貴社からは、本当にオンボーディング環境の整備に対して熱心に取り組んでいらっしゃる印象を受け、やはりそういった企業さまに対しては安心してエールスペックのメンバーをお預けしたいと思えます。いつもありがとうございます。
Q3.エールスペックの導入の決め手とは
愛甲 続いて、エールスペックにご依頼いただけることになった「決め手」は何だったのでしょうか?
佐藤様:当然のことながら、貴社以外にも派遣・エージェント含め複数社へは相談していました。いうなれば、選択肢は何でもよかったんです(笑)
ですが、近年エージェントフィー相場が30%、35%程度に上昇した頃から、新しい転職エージェントが一気に市場に参入し、その分品質が低下してきた印象を感じておりました。
具体的には、エージェントから受ける共有情報とキャンディデートから実際に聞く情報に相当な乖離があったりして、何が本当かわからず、実際に採用してみても定着しないことが多々ありました。
そんな中、エールスペックさんだけはキャンディデートの声をしっかり聞き、洩らさず情報共有いただき、キャンディデートを含め言行不一致が全くないやり取りが好印象で、今思い返すとそれが決め手だったかと思いますね。
高氏様:私も、今ではもはや愛甲さんはトランスファーデータの中の人だと思っているぐらいです(笑)
愛甲 大変光栄です、ありがとうございます。
Q4.実際にエールスペックを利用してみて
愛甲 どういう企業に当社のようなサービスがピッタリだと思いますか?
佐藤様:採用を人事戦略と位置付け、あらゆる採用手法を併存的・積極的に活用することで、採用要件に合った人がいるのかいないのか、いるとしてどうしたら採れるのかを日々考えているような企業、つまりダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)の価値観に馴染みのある企業や、「採用」・「候補者」に対して真摯に向き合っている企業にぴったりだと思います。
愛甲 なるほど。もう少し詳細お聞かせいただけますか?
佐藤様:一般的な紹介型・転籍型のエージェントだと、すべての企業がそうとは限りませんが、どこまでいっても売り切り感といいますか、少しでもキャンディデートをよく見せようとか、なんとか売り切るみたいな点を感じることがあります。
愛甲 エールスペックではそれはできませんが、ビジネスモデル的に一定そういったことも起き得るのかも知れませんね。
佐藤様:そうですね。一方で、エールスペックさんは自社で採用する気になる人を紹介してもらえるという点が強みそのもので、その気持ちがあるからこそ正しく向き合ってくれていると感じており、その構造があったからこそすごく都合がよかったと考えています。
どうせ一緒にやるなら楽しんでいきたいという「合う」方を紹介いただいているのを感じ、はじめて利用する前から印象が良く、利用してみてさらに好印象で、今では募集枠が出たら必ず同時にお声がけさせていただいていますね(笑)
愛甲 ありがとうございます(笑) 会社と社員とは一心同体なので、必死に採用していると同時に、企業とのマッチングにおいては非常に気を付けていますね。
私自身長く人材業界に身を置く中で色んな方を見てきましたが、売り切りを思わせる言行不一致感など、濃淡はっきりしている会社や人もいらっしゃるのかも知れません。
これは業界全体の課題感なのかも知れないですね。
Q5.実際に就業するエールスペックの社員について
◆インタビュイー紹介
●麦田さん(上写真左)●庄子さん(上写真中)●古波津さん(上写真右)
愛甲 では、ここで、現在トランスファーデータさまで就業中のエールスペックのメンバーにも、お聞きしたいと思います。エールスペックを通じて自分にぴったりな職場を見つけていく働き方について、どんな印象でしたか?
麦田さん:1社目は未経験の状態からコールセンターで1年間頑張り、2社目でトランスファーデータに出会いました。
エールスペックに入社したてこのころは電話応対の経験もなかったので、1社目は修行というか、自分の経験値が高まればいいなと思って頑張っていました。
エールスペックの担当者とかなり頻繁に面談もしていただき、1社目より自分に合った会社を紹介してもらえたと感じています。
トランスファーデータの正社員に転籍でき、自分一人の転職活動ならトランスファーデータ社ほど自分に合う会社には出会えていなかったと思うと、エールスペックをきっかけに、ありがたい機会に恵まれたと考えています。
庄子さん:私は、1社目からトランスファーデータで働いて、その後直接雇用になりましたが、自分自身にできることを増やしてステップアップしていきたかったので、働きながら自分の職場を見つけていくエールスペックのような働き方に迷いはなかったです。
ただ一つ印象深かったこととしては、実は、最初にまったく別の会社を紹介されたんですが、自宅から通うには少し遠くて。
もしかたら、今後の紹介先に影響が出るかもと不安に思いつつも、少し自宅から遠いので、できれば違う会社にしたいと正直にお伝えしたところ、次に提案されたのがトランスファーデータだったんです。
今ではむしろこの会社を紹介してもらえるきっかけになったと思い、「思っていることを正直に伝えていいんだ!」と思えたことがすごく印象的でした。
古波津さん:私も麦田さんと同じく2社目でトランスファーデータに来ているのですが、1社目は電力系の会社でしたが、一緒に働く方の人柄やスキルセット、社風に体制にスピード感に、何もかもが、前職とはまるで違う環境になり、良い意味で刺激的に感じています。
また、エールスペックの担当者は、かなり手厚く・親身にサポートしてくれ、自分に本当にあった職場環境を紹介してもらえたなと思っています。
愛甲 直接雇用になるにあたり心がけていた、心がけていることなどありましたか?
麦田さん:エールスペックの看板を背負っている意識・責任感から、「もっといい関係を築けるように」と思い、何事にも積極的にという心がけが大きかったと感じています。
庄子さん:麦田さんと考えが近く、エールスペックの看板を汚さないようにと、まだ転籍が決まっていない段階から積極性を持ち、「何でもやります!」的な心がけをしていました。
古波津さん:私自身はまだ、お二方のように正社員として転籍しているわけでなく、まだ入って浅いので、覚えることが沢山あり修行中なのですが、同年代も多く溶け込みやすい環境を用意していただけているので、”何事にも積極的に”を心がけて取り組んでいきたいです。
愛甲 ありがとうございました。皆さんのこれからの活躍がより楽しみになりました。これからも色々なことにチャレンジして、さらなる成長を祈っています。
愛甲 つづきまして、HRセクション長である芳賀さまから見た、エールスペックスタッフについてお聞かせいただけますでしょうか?
芳賀様:麦田さんは入社当初から一生懸命メモをとったり、分からないことは積極的に質問してくれて、すごく真面目な印象でした。
初期こそは色々不安なこともあったことと思いますが、人柄を知っていくと不安を自分で解消しようとする姿勢が見えて「いいな」と感じていました。
最近では後輩に業務を教える立場になってきていて、当初課題に感じていらした「ものの伝え方や言葉の受け止め方」を解消するとともに責任感も芽生えてきているためか、日々成長を感じています。
トランスファーデータ 経営戦略本部 経営戦略部 HRセクション長 芳賀初美様
愛甲 確かにさきほど話している感じ、自信がついてきているのか、本当にいい顔つきをしているなと思いましたね。庄子さんはどうでしょうか?
芳賀様:庄子さんは最初からすごく明るくオープンな方で、ご自身のことを素直によく話してくれことが印象的で、「この方なら弊社にすぐに馴染んでくれそうだな」と思いました。
入社してからも持ち前のコミュニケーション能力を発揮し積極的に仕事を覚えていっていましたね。
責任感の強さから「自分が何とかしなきゃ」的な考えをもちつつ、最近ではご自身が教えていく立場になり、会社の雰囲気を作っていってくれていますね。
愛甲 持ち前のスキルセットを活かしていけているということで大変よかったです。古波津さんはどうでしょうか?
芳賀様:古波津さんは旅行関係の資格も持っているぐらいもともと旅行関係の仕事に興味があったようで、仕事をしながら「今度旅行行ったときここ泊まろう」「ここ行きたいな」など業務を楽しんでくれている感じがします。その楽しいことが後押しになっているのか新しいことにもとても積極的で、素早く自発的に動いていただけるのが非常に助かっています。
愛甲 確かに、以前よりも濃いアウトプットをする印象があり、貴社にいる間にどんどん成長していっているのを感じました。
Q6.エールスペックに対して
愛甲 今後エールスペックに期待することやご要望などございますか?
芳賀様:これまではオペレーターの採用がご相談の中心でしたが、今後は手を動かす方を取り続けるというよりは、早々にオペレーター職から上級職にスライドしていけるような環境作りや取り組みを増やしていきたいですね。
高氏様:これまでも色んな領域でやっていける方を沢山ご紹介いただけていると思いますので、今後この体制をもっと拡大していき、引き続き合う方をどんどんご紹介いただきたいです!(笑)
愛甲 (笑) 大変光栄です。貴重な機会をいただきありがとうございました!